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30代ワーママの雑記ブログ★育休中に生活を見直すぞ!

天才編集者・箕輪厚介氏の講演へ。凡人の参考になる話はあったのか?!

こんにちはヨシムラネコです。30代ワーママ編集者です。


4月3日、東京ビッグサイトでのイベント「コンテンツ東京」の一環で行われた箕輪厚介氏の講演会に参加してきました!

箕輪厚介といえば…
幻冬舎の編集者としてカリスマ的な存在で、『多動力』(堀江貴文著)や『お金2.0』(佐藤航陽著 )など手がけた本は全てヒット。ツイッターフォロワー数は11万超、運営するオンラインサロンは1000人超と大変な影響力の持ち主で、「編集者は裏方」というこれまでの概念を覆しています。

箕輪氏自身も『死ぬこと以外かすり傷』というパンクなタイトルの本を出版しており、私もこの本読んで彼に興味をもちました。

比べられるレベルではないものの、自分も会員誌の編集を仕事としている編集者の端くれです。

「こんなスゴイ人がいるのか!」と引き込まれて読む一方で、本の中で多数登場する「狂う」「狂わないと」「狂って」というワードには正直ついていけないモノを感じていました。

編集者としての箕輪氏自身の姿勢を端的に表現したワードが「狂う」だと思うのですが、こちとら30代半ばで時短勤務している一児の母です。「狂って仕事なんて出来ませんよ…トホホ」とため息をつくばかり。

そんな中で向かった講演会。
「たぶん話は面白いだろうけど、具体的に参考になるかは微妙かもね…。なにせ天才の言うことだし…」
と思いを巡らせながら席に着きました。

 

箕輪厚介講演スタート!
テーマは「 ヒットするコンテンツの作り方」

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時間通りに講演がスタート。
全く把握してなかったのですが、『R25』編集長・渡辺  将基氏との対談形式でした!(ちゃんとチラシ読めよ)

箕輪氏33歳、渡辺氏36歳。2人とも編集者経験は5〜6年と決して長くはないそう。

箕輪氏が開口一番に放った「編集者って経験じゃないですよね。才能じゃない? 才能っていうか、センス」という発言に早くも気圧される私。
(あー、やっぱり天才にしかわからない天才話かあぁぁ…)と哀しい予感が…。

でも!講演が終わっての感想は…
結論から言いますと、とても参考になりました!行ってよかった!!

以下、編集者の端くれとして参考になったコトをテーマごとにまとめてみました。
(渡辺さんは進行役・質問役という感じだったので下記はほぼ箕輪氏の発言。メモから起こしたので細部は多少変わってますが、話の主旨はズレていないはずです)

 

箕輪厚介氏講演で、
  具体的に参考になった発言をまとめた

気になった見出しだけ読んでもらえればいいかも。

◎お金を出させるハードルを越えるのは難しい

人はそうそう簡単になにかを「面白い」とは思わない。お客さんが「お金を出すほど面白い!」と思うものは少なく、書籍1500円のハードルは高い。いつも「それ誰が面白がるの?」「誰が読みたいの?」と問いかける冷静な自分が必要。
ちなみに「売れなくてもいいものを作りたい」とかいう編集者はクソである。そういうコトを言う人の作るものは、絶対「いいもの」じゃない。


◎「企画芸」ではなく「企画力」を!

AIがなんでも出来ちゃうこれからの時代「企画力」はダイヤモンドみたいに貴重になると思う。秋元康や鈴木おさむみたいな「企画力」を持つ人のところに人が押し寄せる。
ちなみに「企画芸」ばかりやる人がむかつく。「あの人にあれを書かせましょうよ〜(笑)」みたいなことばかり言って責任をとらないヤツ。企画芸ではなく、売れるものにしっかり着地できるのが企画力。編集者として「まあアイツに任せとけばしっかり着地してくれるだろう」と信頼されるようになったら強い。


◎優秀な編集者は「こじつける力」がスゴイ!

優秀な編集者は、とりあえずやっちゃった後に「あれはこういう意図でね…」と後から思いついたことをどんどんこじつけて発信しちゃう。
(編集者ではないが)前田裕二や堀江貴文などの天才になると、後からこじつけて言ったことに自己洗脳されて、最初と言ってることが全然ちがうことが多い。笑


◎本の「核」は作りながら考える

本をつくる時「とりあえずやりましょう」と始めることも多い。最初からテーマや構成がずばっと決まってるものだけじゃない。書きながら、もらった原稿をリライトしながら、どんどん著者の核が見えてくる。
いらない所が見えてきたらガーッとけずって、ないものを付け足したり、最初にこういうフリがないとダメだろうと序文に付け足したり。そうなってくると帯を誰に頼むか、表紙はどんなデザインかも自然と見えてくる。
逆に、見えてこないときは編集者のせいじゃない。その著者に、そこまでの核がないのかもしれない。


◎最後の部分をがんばれよ!

0〜80まではみんな頑張るから差が付きにくい。80~100の部分を頑張る人は少ないから、ここに力を入れると労力をそのまま結果として回収できる。例えば後輩編集者に「今日アマゾン発売時間いつ?」と聞くと即答できなかったりする。「え⁈  あんなに頑張ってつくってたのに、その部分は普通に何もしないつもりなんだ⁈ 」とびっくりする。
メッシはいつも歩いてるけど、ゴールするときだけめっちゃ走る。決めるところで決めること!


◎予定調和でできた本は面白くない

いい企画で、テーマも時代と合っていて、締切も予定通りに進んだ本は、まあ面白くない。どんなに的を得た内容の本でも「予定調和」だからだと思う。
途中でトラブルが起きてもそれを乗り越えて……を繰り返した本は、オモテにはそれが出なくても、面白い本になって売れたりする。


◎「誰が編集したか」で本を選ぶ時代だ!

情報が爆発したせいで、みんな「選ぶ」に疲れている。選んでくれる人を探している。DJ時代、キュレーター時代。
編集者も「個」を立たせて、「箕輪が作る本なら面白いでしょ」と言ってもらえると強い。毎回無色透明の状態で発売することもできるけど、そうすると「売れ線」や「流行り」に寄せないと売れなくなってしまう。「箕輪の作る本だから」と買ってもらえるようになれば、本当に自分が面白いと思う本を作れる。今なら無名の人の本を作ってもヒットさせられると思う。
しかしSNSなどの発信に向いてるキャラ、向いてないキャラもあるから、編集者全員にこれをやれというのは酷だとは思う。

 

箕輪厚介の講演で感じたことを振り返る

私が著書を読んでついていけないと思っていた「狂わないと」という発言もチラホラありましたが、これは「狂う」=「対象に愛を持ってのめり込む」という意味だと受け取りました。

やっぱりこれはイマイチ実践できなそうだし、実践しなくてもいいや〜と思ったところ。編集を超えた生き方の話かなと思ったので。

ですが、一つ一つの話を分けて聞けば、こんな私にも共感できるものが多くて嬉しかったです。

「天才」というのは出した結果からつけられたもの。無名時代には、試行錯誤しながら全力で進んできたのであろう泥臭い編集者の姿が見えました。(もちろんイイ意味です)
今回聞いたお話は、編集という仕事以外にも十分活かせる内容だったと思います。

決してフットワークの軽くない自分ですが、わざわざ足を運んで本当によかった!!

 

では、また。

 

 

 

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